2015/07/25

キャメルハイパイル原料について


キャメルの原料は獣毛原料全体の中でも0.1%以下しか出回っていないという大変稀少な原料です。
ウールが年間何十万トンも市場に出回っているのに対して、キャメルは2000tぐらいしか出回っていません。
この量からしても大変稀少なのがお分かりいただけるかと思います。
また、世界の中のキャメル原料はほとんどがヨーロッパに行ってしまいます。

ヨーロッパではキャメル下着は高級なステータス商品として認知されています。

しかし、残念ながら日本では、らくだ下着はドリフターズの加藤茶さんが着るハゲ親父のらくだのももひきのイメージが強く、尚且つ単なるラクダ色に染めた下着という認識のほうが高いかもしれません。

現在は女性下着の製造のみなので、いつか必ず男性の下着も作ろうと思っています。
その時は、本物の暖かいらくだ下着を作る予定でです。

さて、らくだ原料の話に戻りますが、らくだの毛は剛毛、粗毛、うぶ毛と多種類あります。
剛毛は50ミクロンから60ミクロンと大変硬く、太い。
ストロングキャメルという表現をする業者もありますが、これは刺し毛が多く、衣料や寝具では全然使えない原料なのです。

キャメルハイパイルの商品は19.5ミクロンという毛の質の中ではうぶ毛の最高級ランクの毛を使っています。このランクはかなり細く柔らかいのが特徴です。

お値段は・・・アクリルやポリエステルの10倍。
ウールの倍の価格になります。

現在、キャメルより高い原料はカシミヤやヤク等でも、ほとんどない状況です。
ただし、ウールの毛のランクづけは世界で一番しっかりしています。

オーストラリアではウールのマーケットが、週に2回開催されています。
さらに、政府組織があり世界的にしっかり管理されています。
そのため、ランクづけもしっかりしており、依頼した原料がその通りに来ないということはめったにありません。

しかし、キャメルは管理されている団体もなければ、ランクも曖昧です。
中国政府が介在していた時はある程度管理はされていましたが、現在は介在していません。

キャメル原料は個々の原料商社がそれぞれで取引をしています。
その為、相当目利きの利く原料商社から購入しないと素材の悪い原料を買わされてしまうことも少なくありません。

昔は、ウールを茶色く染めてキャメルだと売る原料屋もいたそうです。

現在、キャメル原料の刺し毛をとる整毛機は日本にはなくなってしまい、
中国、アジア地域でグレードに分けられた原料をベール(硬い綿の塊)で購入するしか方法がありません。

仲介してくれる原料商社がよほど、現地に信頼されているかどうかで、日本での扱える原料も変わってきます。

さて、なぜキャメル原料は冬の素材として認知されているのか?
公定水分率という数字があるのですが、この数字が高ければ高い程、人体への吸湿発熱が高くなります。

一般に発熱性の化学繊維が宣伝でもてはやされていますが、従来化学繊維はこの公定水分率は低い繊維なのです。

ポリエステルは0%、アクリルは0.1%で、綿はだいたい7%〜8%ぐらいしかありません。 キャメルにいたっては15%もあり、ウールは18%ぐらいあります。(おそらくキャメル毛はスケールがない為、ウールより低いのではないか?)

だからキャメル素材はあたたかいのです。
発熱性の化学繊維より暖かいと私は思っています。
その上、人間の体温に合わせて毛が呼吸するので、体にも優しい暖かさを持続してくれる素材です。

この稀少な原料を使って、あのふかふかのハイパイル製品は和歌山県の高野口に1社しかありません。(実際は2社あるが、1社は合繊ばかりを扱っています)

このハイパイル素材生地を作っているのはスライバー織機と呼ばれますが、大変マイナーな織機なのです。

実はスライバーニットによるハイパイル生地の95%は中国で生産されています。
洋服の裏生地やぬいぐるみ生地が主な用途で、全て合繊です。

なぜ、中国がそこまで作っているスライバーニット生地が日本で残っているのか?
理由は天然繊維にこだわって製品化しているからです。

天然繊維で生地を作っていることと、日本人ならではの気質があって始めてスライバーニットの天然繊維によるハイパイル生地生産が可能になります。