2015/09/01

【キャメル部屋着開発】
糸は?


キャメルの毛は通常剛毛→粗毛→うぶ毛と体の外側から中側に入って行けば行くほど、柔らかくなっていきます。

新疆地区やモンゴルのキャメルは春(4月から5月ぐらい)に抜け落ち、
その毛は北京周辺の獣毛専門の公司(商社)に各地域から集められ、毛の等級分けが行われます。(刺し毛が多い程ランクが下がっていきます)

集められる前に、不純物やゴミを取り除かれ、綿として集積されていきます。
ランクはベビー(赤ちゃんのような毛で赤ちゃんキャメルの毛ではなく)からアダルトと30ランク以上に分かれており、
我が社はだいたいトップから3番目ぐらいから5番目の毛を少しミックスしながら、毎年平均的な柔らかさを維持してもらっています。
ベビーキャメルは用途によっては使うことを検討したいと考えているのですが、やはり高いので、検討段階でいつも迷ってしまいます。

さて、今までは世の中に無い柔らかい毛布を紡績メーカーや織りメーカーの協力によって製品化にこぎつけて来れたのですが、部屋着となると、まったくの別業界となり、わからない…。
糸も太すぎて部屋着には使えないだろうし、紡績メーカーの定番の糸から探そうとしても理想的なキャメルの糸は存在しません。

だいたいカシミヤシルク混の糸やカシミヤ綿混の糸しかなく、キャメルは太番手になってしまうので、誰も要望しないのだと思います。

しかも糸が細く引けるかどうかも、やってもなければわからず、たとえ、チャレンジできたとしても織れるかどうかもやってみないとわからないのが現状です。

私の経験上、紡績メーカーに行って要望の糸を探してみるのですが、だいたい見当たりませんし、 こうゆう糸がないかと聞いても作ろうという話にはなりません。

紡績メーカーは作るとなると大量のロットを売りたいと考えますので、私のように最小のリスクで糸を引いて、織りも試してみたいなどとは思わないのです。

でも、、私には各産地に心強い友人がたくさんいます。今回はニット製品ですが、今治のS部長にも相談に行きました。
彼は今年のリネン混のショールを製造してもらい、共通の糸で肌着の糸として使える糸も開発してもらいました。
Sさん「山本さん細い糸をキャメル100%で作るのはやっぱり難しいです。」
私「そうですか…。でも部屋着なので、生地は柔らかい編み物にしたいんですよ。」
Sさん「そうですか。混紡糸でも大丈夫ですか?」
私「そうですね、前に天然素材にこだわりすぎたことで、綿とキャメルの混紡糸で特殊なカバーを製造しようとしたのですが、4回も織りなおしをメーカーにお願いしたので、あまり無理な糸をごり押ししてもいいものはできないと思ってます。」
Sさん「でしたら、キャメルと化学繊維と混紡して柔らくて編みやすい糸をチャレンジしましょうか?」
私「そうですね。下着とは違い、直接肌には当らないので、柔らかさと暖かさを追求できればいいと思います。」
Sさんに何故相談するのか?何故なら彼は紡績メーカーに絶大な力を持っているからです。
今治でも相当量の糸を仕入れ、特殊な糸も使いこなし、紡績メーカーにアドバイスができる実力者です。

私の頭ではイメージできないですが、彼は糸の構造と特性でどういう生地に織りあがるかまでイメージすることができます。

新しいキャメルの糸を楽しみに待っていたところ、
1ヵ月後すばらしい糸が私に送られてきました。