2015/03/24

やまちゃん師匠の回想


彼の体験談の中で、もうひとつ大切な想いがあります。

彼は無印良品に開発時代“羽毛布団”も開発していた。

当時“羽毛布団”は布団の中でも最高級品で、1枚30万円ぐらいしたかもしれません。

羽毛布団は、もともとヨーロッパに起源があるそうです。
親が子供へ布団を引き継ぐ習わしがあり、引き継ぐ時は必ず、新しい羽を布団に増量してあげるのだそう。

最高級品の羽毛布団は、鳥の巣から親鳥が居ないのを見計らって、
巣の中にある羽を集めて作ったとされています。
途方もう無い苦労です。

あるいは、大事に飼っているダックをクリスマスやお祝いの時だけ、
感謝の上で、ごちそうとして頂き、羽も子供の為の布団用として大事に溜めて、布団にしていたのではないか。

どちらにしても、羽毛布団は大事な財産であったに違いありません。
羽毛布団は誇るべきヨーロッパの文化なのです。

羽毛布団の製造はやがて機械化され、効率良く生産されるようになるのですが、
徐々に製造工程問題になっていきます。

日本からその技術は台湾で展開されていきます。

まず、人工的に孵化させて大量にダックを卵から作り、人工の湖でどんどん成長させ、大量のダックが発育します。
そのダックは、一匹づつベルトコンベアーに吊るされ、一匹づつ首を切られ殺されていきます。

専用の脱水機のような機械に入れられ、羽をむしりとられ、血だらけになったその羽を洗浄し、羽毛原料となります。

彼の話では 「ベルトコンベアーに吊るされて、死ぬのがわかっているのか・・・・ダックはみんな涙を流すんだよね・・・・。
あの涙を見てから羽毛布団はもう作りたくないと思ったんだ・・・」

「肉は日本の食糧として輸出されるから、業者は一石二鳥なんだよ。
山本くんが、もし鴨南蛮そば食べてるなら、その材料になってるよ。きっと・・・」
ショックでした。
羽毛布団、私も使っているし、まさかそんな製造工程を経て作られていたなんて・・・・

私も実際調べてみました。
スウェーデンの「カラファクタ」というドキュメンタリー番組で、EUでは本来禁止されているグースのライヴ・ハンドピッキングの実態をレポートしていました。

番組のレポートでは、EU圏ハンガリーの生産業者を取材し、
バイヤーと身分を偽った取材班が隠しカメラで捕らえた映像でした。

グースたちがキーキーと泣き叫ぶ中、バリバリと全身の羽毛をむしりとり、避けた皮膚を麻酔ナシで太い糸で縫っているのです。
ダウンを効率よく生産するために、生きているグースの全身から羽毛をむししとり、羽が生え揃えばまた採取する。

それが5回程繰り返され、最後は殺されるのです。
ちなみに、一着のダウンジャケットには約70羽分の羽毛が使われているそう。

これはあくまで、個人的な考えです。
羽毛布団を丁寧に生産している業者様を否定するつもりもないし、
それで家族や社員さんを養っている方々もいるのも理解しています。

ただ、人間の欲の為に、やりすぎはいけない。
鳥インフルエンザの時に中国でたくさんのダックをトラックで運び、大量に地中に埋めていた映像も思いだしました。

鶏肉も食べている私たちは
動物達に感謝することは、当然だと思います。

彼は言いました 「らくだの毛はね・・・毎年毎年、晩春に抜け落ちるんだよね。殺さなくていいんだよ。
らくだは30年以上生きるし、抜け落ちた毛はらくだにとっては必要ない毛なんだよ。
そして、それを人間は感謝して使わしてもらえるんだよ。
・・・そう神様からの贈り物として、・・・優しいらくだに感謝だよね」
そうなのだ・・・らくだは神様からの贈り物なのです。

らくだはモンゴルの人達にはかけがえのない動物なのです。

らくだの毛は外側から剛毛→荒毛→うぶ毛と生えており、
剛毛は昔ロープとして使われ、
石油の採掘の時にロープが使われていたそうです。

また、荒毛は絨毯の原料として使われ、
うぶ毛は布団や衣服に使われていたそうです。

らくだの糞は、家の壁材としたり、らくだのミルクはお薬としても飲まれています。
(実際私もウルムチで飲みました。)

モンゴルでは羊肉を食べるのですが、羊が少なく非常時にはらくだの肉もだべるそう。
なによりも砂漠での荷物の運搬にらくだはかかせません。

30年も40年も人間の暮らしに寄り添ってくれるのだから・・・まさに神様からの贈り物だと私は考えます。