2015/05/01

キャメル布団綿の難しさとは


キャメル綿を打綿するの続きです。
布団メーカーさんはもともと綿わた布団の製造が中心です。
第2次大戦後、綿わた布団は物が全然無くなってしまった時代で、
“嫁入り道具”として重要なアイテムでした。
今の女性の方には理解できないかもしれなが、それほど貴重な物だったのです。
ですので、布団の打ち直しで、綿を増量したり、
中綿を新しくしたり、いい物を長く大事に使っていました。

そんな布団製造メーカーも時代が変わったことで、
暖かい布団にウール綿を使用したり、高度成長以後はポリエステル綿が増えていきました。
(羽毛布団製造は特殊な設備がないと製造できないので)。

私の師匠は無印良品の開発時代に、今の桐生産地の布団メーカーにキャメル綿の布団製造のお願いをしたそうです。

しかし・・・・キャメルの綿は非常に扱いづらく・・・
まさに布団メーカー泣かせの綿だったのです。

何が問題かというと、綿が柔らかすぎるために、くっついてしまうのです。
ねばっこいやわらかい綿を布団の側生地に入れ込むのは、本当に至難の技でした。

今までは、カチッとした綿わたを主力に扱っていたメーカーにこの綿を使いこなすのは大変だったのです。
うす〜いナイーブな綿はおもちのようにねばっこいのです。

だからふんわりもっちりなのです。
そのふんわりもっちりした綿を、何層にもミルフィーユのように重ねて布団用の綿にしているのです。

やわらかいけどくっつきやすい。

ロールにしても1本1本丁寧に扱わないと他の原料にくっついてしまい、使い物になりません。
おまけに、側生地がスムースという綿の下着で使う柔らかい生地を側生地にしているのですが、
下着の柔らくて伸びる素材を、布団の側生地に使うのは当時では考えられませんでした。

それを無理やり私はお願いしたのでした。
ゴミがないか?綿切れがないか?ひとつひとつチェックをしていきました。
とても大量生産はできない大変な作業の連続でした。

正直初めの頃は採算は度外視でしたとメーカーのIさんはおっしゃる。

そうだよな・・・こんな大変な布団普通は作りたくないと思います。

やっと綿入れ作業へと進み、
二人の職人さんが息を合わせて、1枚1枚綿を側生地に入れてくれます。
ホント・・・・職人さんありがとうございます。


つづく