2015/06/28

キャメルパイル靴下の産地について


奈良の靴下メーカーさんは、幡豆のキャメル5本指靴下を製造してもらってるメーカーさんから紹介していただきました。
やはり、開発力があるメーカーさんは情報交換が盛んです。

奈良の靴下産地は日本でも有数の産地であり、
日本では各産地の得て不得手があり、生き残っている産地はやはり、その理由があるのである。

韓国や中国からの輸入靴下が入って来るまでは、奈良の産地は日本の靴下のかなりの量を賄っていました。
構造的には数社の大手が下請け、孫請のメーカーさんと連携しながら、発注量の調整を柔軟にこなしていける体制が産地としてあります。

また、中堅メーカーさんは開発力を武器にデザイナーや企画会社と組み直接小売に販売しているメーカーもあります。
あとは大多数の零細メーカーがたくさんの構造で産地を維持しています。

しかし、近年は他の産地と同様に輸入品に押され、廃業、倒産が加速しています。
私は小さいながらも開発力のあるメーカーさんと知り合うことができました。

I靴下さんの社長は50代でありながら、各地のレースに参加するマラソンランナーでもありとても若々しい!
商品開発の発想も柔軟で、とても斬新的。

とくに医療の観点から体の悪い人の為の靴下等、産学連携を駆使した、産地の研究機関と共同で商品開発をしているそう。
これだけ優れた開発能力があるメーカーなので、繁忙期は間違いなく我が社の注文は受けられないのではと思っていたが、予想通り難しい状況でした。
さらに、キャメル混の糸の靴下も初めてのため、失敗なども想定して、早めにサンプル糸を投入させてもらい、納期も余裕をもってスタートさせてもらうことにしました。

I社長にキャメル屋の考えを理解していただき、
なるべく天然素材で暖かく、しかも履き心地のいい靴下の作製を依頼しました。

I社長は快く引き受けてくれたうえ、なぜか意気投合し、出荷してもらうまでの半年間で4回ぐらい飲んでいました。
愛知県と奈良県の距離が近いことと、関西出張の途中で寄れるというタイミングも重なり。

I社長もやはり、相当な苦労人でした。
火事で会社が大損害に会い、一度は廃業も考えたそう。しかしながら、持ち前の努力とがんばりで会社を立て直されたそう。

我が社の苦しい現状や建て直しの悩みや、進むべき方向について相談する良いアドバイザーともなってくれています。
また、あまりにも開発力が優秀なために、売り先が商品の商標を勝手に横取りしたり、
中国や他のメーカーに自社の開発商品をコピーされて困った経験等もたくさんされており、
売り先に関してはかなり慎重になっておられました。

我が社の場合は、私が糸を供給し、我が社のブランドネームが入るので、一目で我が社の商品がわかる旨も理解してもらうことができました。
繊維業界で良く言われる通説では、2番手に商品をマネしたところが一番美味しい思いをすると言われています。

商品開発は思考錯誤を重ね、無駄になるサンプルもたくさんでき、経費も相当かかってきます。
その為、力のある商社や問屋は市場でヒットしそうな商品を素早く中国などでコピー品を作り、市場に投入してきます。

コストも安くする為、利益確保をし、散々売ったあとに素早く撤退していきます。
話題になった頃には、あらゆる小売に似たような商品が並び、あっという間に商品過剰となり、一気に売れなくなってしまうのです。
こうして不良在庫を抱えたメーカーや問屋がどんどん潰れていくのを今までいくつも見てきました。
製造特許等をとればいいではないか?という意見もありますが、特許がおりる頃には、その商品は散々市場で売れた後で、その頃には魅力が半減しています。

だから、我々やメーカーは走りながら考え、常に開発をすすめています。
止まった瞬間に死が待っていると考えているからです。

現在のパソコンやスマートフォンも同じですね。
こんなにリニューアルが本当に必要なのでしょうか?

あまりにも競争過剰になってはいないでしょうか?
私の理想はいい商品をメーカーさんと3年ぐらいかけて開発し、5年以上は長くその商品を売り続けることです。
でないと、投資の回収や商品の検証が十分できないまま走り続けなくてはなりません。
大企業であれば、各事業部がそれぞれのセクションに分かれて検証やデータ分析もできるとおもうのですが、全てを少数人数でやっている中小零細企業では大変難しいのです。

少々愚痴が多くなってしまいましたが、この過剰競争も生産基盤を間違いなく疲弊させているのではないか?と最近思ってしまうのです。


キャメルパイル靴下
この靴下は裏がパイル編みになっているので、ふっくら厚手で、とっても気持ちいいです。
厳選した上質キャメルを使用しているので、チクチクしませんのでお肌の弱い方にもオススメですよ。
蒸れずにあったか、一度履いたらクセになる心地よさです。