2015/07/09

アラブキャメルを崇める


「サムード族の伝説と神聖ラクダ」

これは、おごり高ぶって預言者を裏切ったことで天罰が降って滅亡させられたという物語です。

サムード族は周囲の民族とは際立った特徴の違いとして、巨人ぞろいということがありました。
そのため腕っ節も強く、武力でこの民族を制圧するところはどこにもありませんでした。
そのために、誇り高く、傲慢でした。

この不遜な態度が民族破滅の原因となっていました。

アッラーは、このサムード族に預言者サーリフを遣わせました。そして、サムード族の人々は神の兆候を見せよとサーリフに奇跡を求めたのでした。サムード族は岩の中から雌ラクダを出せと言って迫りました。
サーリフは神に祈り、堅固な岩山の一部が突如避けて、人々の要求通り、ラクダが出現しました。この出現したラクダを神の徴(しるし)として神聖ラクダとしました。

こうして神聖ラクダは自由に放たれ、一日おきに水を飲むように定められることになりました。

なぜ雌ラクダをサムード族は要求したのか?
神聖ラクダは子ラクダを後に従えて、人々の前に顕れたといいます。プレ・イスラムの時代にラクダは既に多目的に用いられ、また生活に密着した家畜であり、なによりも財産といしての「動産」であったのです。

神聖ラクダは、駄用や乗用、また搾乳が禁じられ、放牧地に自由に放任され、また水を飲むのも自由であって、誰もそれを禁づることができない慣例でした。

このようにラクダはアラブでは神聖な動物であり、モーゼは馬、ロバ、ラクダは好むが、象、水牛、牛に乗るのは嫌うと言っています。
ラクダはアード族の預言者、サムード族の預言者、マドヤン族の預言者の乗り物になりました。アラブの伝説的な太古の伝説では、ラクダが重要な存在だったのです。

殺されたはずの「神聖ラクダ」も、あてどなくサムード族の地を去って姿を消した預言者サーリフも、再び姿を現します。

地上に生を享けたものすべてが蘇生される「復活の日」に、たてがみを持ち、黒毛をした神聖ラクダは、預言者サーリフとともに聖化されて登場しました。
復活の日には、預言者達がそれぞれの動物に乗って蘇生される。裁きの場へとマホメットの信奉者達を集めるために、サーリフは彼の雌ラクダに乗って蘇生されました。

マホメットは視界の限りを一っ飛びで走るラクダに乗って蘇生されました。