2015/07/11

キャメルの戦い


イスラム史には女性がラクダに乗り、戦闘を指揮した戦いがあります。

マホメットの妻アーイシャ(613年頃〜78年)は、マホメットの従弟アリーと不仲であったが、アリーが第四代カリフとなった時、他の有力者と共にアーイシャへ戦いを仕かけました。
656年12月イラクのバスラ近郊で生じたこの戦いは、「ラクダの戦い」と言われています。

アーイシャが自ら乗って陣頭指揮をしましたが、この戦いは半日で終わり、カリフ側の勝利になり、アーイシャは捕られました。

アーイシャが乗っていた雄ラクダの「アスカル」は、カリフ側が抑えました。
カリフ・アリーは無用の殺戮を避けるべく、部下に命じてアスカルの腱を切らせることにしました。

ラクダが倒れれば敵の総大将が見えなくなり、戦いの決着はついたことになります。 両陣営が剣を収めるためにも、その決断をしました。

アスカルは悶絶の声をあげ、その声はラクダでは聞かれたことがない程の激しいものであったといいます。

アーイシャはカリフ側に参戦していた彼女の弟によってメディナへ戻されました。
「私は全てを失ってあなたが全権を握っている。どうされても構わないが、できれば許して欲しい。」と言ったそう。
この言葉は「良き取り成しを!」の言い回しとなり、のちに諺にもなりました。

権力者の妻が夫が亡き後、権力欲しさに浅はかな戦いを仕かけて身を滅ぼす。
どの時代、どの国にも起こることではありますが、ラクダにまたがり戦闘を指揮したところは、さすがアラブですね。